こんにちは。
千葉県の流山市(おおたかの森)で、子どもの習い事「プログラミング」の講師をしているさかやすです。
2020年から小学校でのプログラミング教育の必修化が始まります。その詳細と海外のプログラミング教育について知りたい人
お母さん
お父さん
このような疑問に答えていきます。
本記事の内容
プログラミング教育の必修化。日本と海外の状況について解説します。
①日本
②イギリス
③ハンガリー
④ロシア
⑤フィンランド
日本の小学校では2020年からプログラミング教育が必修化されます。プログラミング教育の必修化、日本に先駆けて必修化している諸外国の状況について解説していきます。
小学校でのプログラミング教育の必修化【日本】
2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されます。
2020年度(平成32年度)から実施される新小学校学習指導要領においては、各教科等の特質に応じて、児童がプログラミングを体験しながらコンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動を計画的に実施することとしました(小学校プログラミング教育の必修化)。
引用元:文部科学省
文部科学省が公表している「小学校プログラミング教育の手引」を見ていきますと、プログラミング的思考を育成することが必修化の主な目的です。
プログラミング的思考とは、コンピュータに限らずに自分が意図したことを実現させるための考え方となります。
料理で考えると分かりやすいです。カレーを作るとします。
- カレーに必要な具材や工程を考えます。
- 具材を買いに行きます。「カレー粉・にんじん・じゃがいも・肉等」
- 買ってきた具材をカットします。
- 鍋にお水を入れて沸かします。
- 具材を鍋に入れて、具材やカレー粉を入れていきます。
- 完成
普段何気なく作っているカレーでも、必要な材料や工程を考えて料理をしていきます。「必要な材料や工程を考えて完成させていく過程」がプログラミング的思考です。
プログラミング的思考は、小学校の既存教科「算数」「理科」「総合的な時間」等で学習します。「プログラミング」という教科が新たに作られるわけではありません。
算数:プログラミングを通して、正多角形の意味を基に正多角形をかく場面
理科:身の回りには電気の性質や働きを利用した道具があること等をプログラミングを通して学習する場面
総合的な学習の時間:「情報技術を生かした生産や人の手によるものづくり」を探究課題として学習する場面
参考文献:小学校プログラミング教育の手引(文部科学省)
プログラミングする過程の考え方が子どもの教育に必要だと認識がされて、「既存教科でその考え方を学んでいく」。これが、プログラミング教育の必修化です。
プログラミング教育の必修化【世界】
日本に先駆けて、プログラミング教育を必修化した諸外国4か国について説明していきます。
イギリス
イギリスでは1995年から「IT」という教科が設置され、1999年には「IT」から「ICT」に名前が変わりました。そして、2014年9月からは「Computing」という教科で新設され必修化されました。
アルゴリズムの理解やプログラミング言語の学習を取り入れるなど、より本格的なプログラミングを学習できる内容になっています。
初等教育(5歳から10歳)と中等教育(11歳から15歳)に分かれていて、使用するプログラミング言語は、
初等教育は、Scratch、LOGO、Kodu
中等教育は、Scratch、Kodu、Python
のようです。
Pythonを学校で教えているのが興味深いです。
ハンガリー
ハンガリーでは2003年にプログラミング教育が必修になりました。1年生から3年生までは「ICTリテラシー教育」が中心。それ以降は「プログラミングの教育」を学びます。
「Informatika」という教科で学習します。
3-4 年生では、パソコンの安全な使い方、ファイルやフォルダ、インターネットやペイントソフトウェア等の使い方を学んでいきます。
5-8 年生では、Windowsや周辺機器(マウス、キーボード、プリンター等)、ネットワーク技術などについて学びます。また、Pascalというプログラミング言語を使ってアルゴリズムの学習も行います。
ロシア
ロシアでは、2009 年に初等教育、2010 年には中等教育でプログラミング教育が必修化されました。「インフォルマティカとICT」という教科で学習します。
初等教育では、パズルのような例題が出されて問題解決の手法的な概念を学んでいきます。専門用語はなるべく使われずに、絵や図を用いて説明がされているようです。
中等教育では、アルゴリズムを中心に学習していきます。2015年の情報にはなりますが、プログラミング言語はPascalが使われていました。
※Pascalは、少し前に流行ったプログラミング教育用の言語です。現在では、オブジェクト指向の概念を取り入れたDelphiに進化しています。
フィンランド
2016年からプログラミング教育が必修になりました。プログラマーの育成を目的とするのではなく、すべての人にプログラミングを学ぶ機会を与えるのを目的としています。
子ども達が将来、電子サービスを考案したり構築したりして、デジタル社会を発展させていきたいというのが狙いのようです。
小学校1から2 年生では、コンピュータへの指示出しを実際の遊びを通じて学んでいきます。
3年から6年生では、Scratch等のビジュアルプログラミングを使って、プログラミングの学習を行います。
7年生からは本格的なコードのプログラミング言語を学んでいきます。
まとめ
日本の小学校では、2020年からプログラミング教育が必修になります。
日本に先駆けてプログラミング教育を必修化にした国「イギリス・ハンガリー・ロシア・フィンランド」の状況について解説してきました。
今回はプログラミング教育が必修化された国を取り上げてきましたが、選択科目として学習が可能なアメリカ・インド・韓国。そしてIT先進国のエストニア。
海外では力を入れてIT教育をしているなか、日本はやや出遅れている感じがあります。
参考資料:文部科学省『諸外国におけるプログラミング教育に関する調査研究』
プログラミング講師 さかやす